小学生の子供がわきがになりました

小学生の子供がわきがになりました

親子ともどもわきがという事実

小学生の子供がいるのですが、6年生の春から急に学校に行きたくないと言い始めました。これまで一度もそのようなことを言ったことが無く、仲良しの友達もいましたし、クラスで浮いたりいじめられたりというトラブルも全く無く、どちらかと言うと明るい優等生タイプで楽しい学校生活を送っているとばかり思っていました。泣いて学校に行きたくないと言いだしましたが、ここで甘えさせたら今後もすぐに休む子になると思い、厳しく「学校に行きなさい」とこちらも折れない姿勢で臨みました。一応学校には行きますが、日に日に家でも口数が減り、1週間が終わる頃には私たち親とも何も話してくれなくなりました。

初めのうちはお友達とケンカでもしたのかなぐらいに思っていたのですが、明らかに様子がおかしいので私が想像する以上の深刻な事態が起きているのだと感じ、担任の先生に相談したいと申し出ました。すると、先生もちょうど私と話す機会を持ちたかったらしく、連絡をくれる所だったそうです。先生に聞いたところ、6年生になって間もなく、クラスの子にうちの子が「臭い」と言われ始め、「あいつは臭い」と隣のクラスからわざわざ臭いをかぎに来る人がいたり、半ばいじめのような状態になっているそうです。あまりに可哀想ということで、こっそり先生にそれを教えてくれた子がいたそうで、即刻先生は叱咤してやめさせたそうです。

でも、小学生のからかいはすぐには治まらず、先生の目の届かないところでは今も続いてしまうかもしれないと言われました。うちの子供は女の子です。6年生ともなれば物心もついていますし、「臭い」と言われるのがどれだけ傷つくか、私も女なので想像がつきます。そして、「臭い」で思い当たることがありました。実は私はわきがでした。私の場合は症状が出始めたのは高校生になってからですが、やはり気付いたきっかけはクラスの子からの指摘でした。高校生と精神的に成長している時期だったので、面と向かってからかってくる人はいませんでしたが、ひそひそと噂されたり、通りすがりに「くさっ」とつぶやかれたり、今でもその時の何とも言えない傷ついた気持ちは忘れられません。

子供にも同じような気持ちをさせてしまい、しかも小学生なので私よりもダイレクトに傷つけられ、その原因がわきがとなると私からの遺伝だとは思わずにはいられません。実際にわきがが遺伝するのかわかりませんが、親というだけではなく気持ちがわかる者として、すぐになんとかしてあげたいと思いました。私は高校生の時にわきがの治療を行いました。それほど重度ではなかったので、飲み薬と塗り薬を処方され、その治療を続けているうちに症状が治まってきました。年齢と共に汗の量が減って臭いが軽減したのかわかりませんが、10代の頃のように強い臭いを発するということは少なくなったように思います。とはいえ、やはり汗をかく季節になると臭うので、市販の強めのデオドラント剤は欠かせません。今も1本数千円する性能の良い制汗・殺菌作用のあるクリームを愛用しています。

 

小学生でも手術を受けられる

わきがの臭いに鼻が慣れているので、普通の人より鈍感なのかもしれません。実は私の母もまたわきがなのですが、普通なら一緒に暮らす家族が真っ先に臭いに気付くはずなのに、そのせいで気付けなくてごめんねと謝られた記憶があります。私も自分の臭いと似ていたから子供のわきがに気付けなかったのだな、私が先に気付いていたら学校で嫌な思いをしないで済んだのにと後悔してしまいます。とにかく子供の可哀想な状態を打開したいと思い、皮膚科を受診することにしました。そこでうちの子供の症状は割と重度な方だと言われました。そして、完全に治したいのなら手術をおすすめすると言われました。

正直、子供にわきが手術を受けさせるという概念が私には無かったので驚いてしまい、すぐに決断できませんでした。まだ11歳という子供の体にメスを入れるということ、術後の痛みに耐えなければならないこと、麻酔の影響も少し心配ですし、なにより自分は飲み薬と塗り薬で対処してきたのでその一歩上の治療を子供が受けなければいけないことがショックでした。すすめられた手術は剪除法という最もメジャーな術法です。脇の下に数センチの切込みを入れて、そこからアポクリン腺という汗腺を除去する手術なのですが、医師が目視で確認しながら一つ一つ汗腺を切除していくので、時間はかかりますが作業自体はシンプルで危険は少ないというものです。

ただし、メスで切込みを入れるのでしばらくは傷跡が残ること、術後数日は痛みがあるので生活に多少支障が出るとのことです。私は否定的でしたが、子供に聞いたら「絶対に受けたい!」と強く言われ、それほど辛い思いをしているんだなというのが伝わってきたので、子供の意志を尊重してあげたいと思い手術を受けることを決めました。とはいえ、小学生のわきが手術は実施していない医療機関も存在します。子供の手術には大人とは異なる麻酔や技術が必要となるため、それに伴う設備や人員を供えていない医療機関は行っていないという事実があるようです。でも、子供のうちからわきがの原因であるアポクリン腺の数は決まっていて、大人になったら汗腺が増えるということはありません。

また、わきがを放置していると加齢と共に症状が悪化することもあるので、本来は子供のうちに完治させることが好ましいという考え方もあるとのことです。そのような説明を受け、信頼できる設備の揃った病院を紹介して頂き手術を受けることにしました。私の住む地域は小学生は医療費補助が無いのですが、保険診療で受けられたので、入院費を含めても5万円程度で受けることができました。術後は痛み止めを飲んでも傷が痛そうでしたが、臭いは全く無くなり、無事に完治することができました。娘は元通り、明るく楽しく学校生活を送れるようになりました。また、娘をからかっていたクラスの子たちは、娘が学校を休んで手術を受けたことを知り、病気の人をからかってしまったということで強く反省したそうです。先生からそう伝えられ、改めて謝罪をされて、親子ともども晴れやかな気持ちになれました。